こんにちは。サトシです。
今回は2021年4月のアメリカの住宅マーケットを見ていきます。ウッドショックの影響が出ているアメリカのマーケットの様子をみることは今後の日本の住宅マーケットを予想するにも重要な指標になります。ものすごく貴重な最新情報なのでビジネスマン必見です!
2021年4月アメリカの不動産マーケット
住宅着工件数
2021年4月着工件数:157万戸 前月比マイナス9.5% 前年比プラス67.3%
うち一戸建て: 109万戸 前月比マイナス13.4% 前年比プラス58.7%
うち集合住宅: 47万戸 前月比プラス4.0% 前年比プラス97.5%
中古住宅取引件数
2021年4月中古取引件数:585万戸 前月比マイナス2.7% 前年比プラス33.9%
販売在庫数:116万戸 前月比プラス10.5% 前年比マイナス20.5%
*販売在庫数が取引件数に換算して過去3年平均3.7カ月に対して2.4か月と依然として少ない。
→価格上昇の要因。
ケースシラー住宅価格指数 2021年3月
※「ケースシラー住宅指数」とは?
ウェルズリー・カレッジのカール・ケース教授とノーベル賞受賞者であるエール大学のロバート・シラー教授が中心となって開発した、全米主要都市の一戸建て住宅の価格動向を示す指数。「リピート・セールス」という再販価格を基に算出される。
両教授が中心となって設立したケース・シラー・ワイス(CSW)社によって実用化され、2002年に同社がファイサーブ社(現ファイサーブCSW社)に買収されてからは、同社が算出を行い、格付け会社大手S&P社が公表している。
毎月全米の10大都市圏、20大都市圏について公表され、四半期ごとに米国全土を調査対象とした指数が発表される。10大都市はボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンD.C.。20大都市圏では、さらにアトランタ、シャーロット、クリーブランド、ダラス、デトロイト、ミネアポリス、フェニックス、ポートランド、シアトル、タンパが加わる。調査月の翌々月下旬に発表される。
米国夏時間:日本時間午後10時、冬時間:日本時間午後11時の発表
ケースシラー住宅指数
20都市平均 251.57ポイント 前年比プラス13.3ポイント
ロスアンジェルス 332.91 同プラス13.4%
シカゴ 157.51 同 プラス9.0%
ニューヨーク 229.16 同プラス12.3%
ポートランド 277.82 同プラス13.5%
<メディア記事抜粋>
ウォールストリートジャーナル 5/12/2021
今年第一四半期の住宅マーケットは米都市中の89%で10%以上中間価格が上昇
パンデミックによるリモートワークのため、より広い郊外の住宅が人気
通常の旅行ができないため、バケーションハウス(別荘)にも需要
低い住宅ローン金利が、特に高級住宅マーケットに好影響をもたらした
一次取得者は価格の高騰に追いつけないでいる
現在の過熱気味の状況は2000年半ばのバブル期と比較すると、購入者の質が良く、またローン審査も厳しいため、より安全と見られている
ウォールストリートジャーナル5/18&20/21
現在米国ではランバー価格が前年から3倍に急騰
より広い住宅やパンデミック生活によるDIYで木材需要が増加
木材のサプライヤーは新たな工場の建設に慎重な姿勢
ランバーの価格高騰により、一戸建に限らずアパート等集合住宅の建築への影響も出ている
一般的に集合住宅の建築は一戸建てより木材の使用量が少ないが、床材や木製のキャビネットなどで影響を受けている
現在集合住宅での建築材料コストは昨年比で25~30%上昇
ウォールストリートジャーナル5/26/21
新築および中古住宅への需要が供給を大きく上回り、住宅価格が依然として上昇を続けている
ケースシラー指数によると前年比で13.3%の上昇で、バブル期の2005年12月以来の上昇率
新築住宅販売の中間価格は4月に$372,400となり、前年比で20.1%の増加
中古住宅は同$341,600で、前年比で19.1%の上昇
低いローン金利による住宅購入の旺盛な需要に対し、マーケットへの販売住宅の供給が少ないことが価格上昇の主な要因
4月の新築販売で$300,000以下の物件は全体の27%と前年の45%から大幅に減少、一次取得者が影響を受けている
建築材料の高騰、現場労働力の不足、および宅地の不足が新規の供給の足かせとなっている
オレゴニアン 5/28/21
ポートランドでは販売に出される住宅が歴史的に少ない状況
適正価格の物件は販売開始早々に数件のオファーが入る
買替先が不確実なので、売りに出したくても出せない売主が多いことも悪循環に拍車
販売在庫数は取引数に対して0.8カ月で、過去30年で最低(4~6カ月が適正数)
まとめ
アメリカでもウッドショックをはじめとする原材料の高騰で住宅価格が上がっている。2005年12月のバブル以来の水準で住宅価格が上がっています。
特に木材の価格は3倍に跳ね上がっています。
30万ドル(約3300万円)を下回る低価格の物件が市場からなくなりつつある状況です。
それに加えて市場の低金利の影響もあり、まだまだ住宅価格の高騰に歯止めがかかりそうな気配はありません。
引き続き日本のマーケットへの影響がどう出てくるか注視が必要です。